英ポンド/円相場は、4月16日の146.45円をボトムに、足元では150~152円をコアレンジとした取引になっている。再び円安圧力が強くなっていることがポンド/円相場を強力にサポートするも、対米ドルではポンド売り圧力が強くなっていることもあり、明確な方向性を打ち出せていない。ポンド売りと円売りの強弱バランスが拮抗していることが、ポンド/円相場の膠着化を促している。
ポンドのみを見れば、売り材料が目立つ状況にある。3月英小売売上高は前月比-0.7%となり、前年同期比でも-0.5%に留まった。寒波の影響で客足が鈍った影響もあるが、消費者マインドは依然として厳しい状況にあることが窺える。また、格付け会社フィッチ・トレーディングスは、英国の格付けを「AAA」から「AA+」まで引き下げている。こうした状況を受けて、イングランド銀行(英中央銀行)の次期総裁であるカーニー氏は、英経済は財政・金融政策ともに引き締め過ぎとの見方を示しており、追加緩和に対する警戒感がポンドの上昇幅を限定しよう。25日に発表される1~3月期国内総生産(GDP)は、昨年10~12月期の-0.3%からプラスへの持ち直しが想定されているが、ここで伸び悩むようなことがあると、特に対米ドルでポンド売りが加速する可能性もある。
ただ、円売り圧力が継続する中、ポンド/円相場は強含みの展開が続く見通し。特に、26日の「展望レポート」で2%のインフレターゲット達成への見通しが織り込まれれば、改めて円売り圧力が強まる可能性も十分にある。ドル/円で100円の節目を前に足踏み状態が続いているが、円安傾向は維持される見通しであり、それは対ポンドでも例外ではない。
今後1週間の予想レンジは、149.75~154.00円。